島ごと美術館

〜島の風景と一緒に味わう〜
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作品
@1羽の鳥の為に
A風の中で
B空へ
C凪のとき 赤いかたち/傾
D波の翼  
E地上と地下の間で
Fねそべり石
G球を包む幕舎
H海からの贈り物
Iうつろひ
J飛石
K千里眼
Lベルデールせとだ
M地殻
N塩池
OCATS DANCE
P空/海 YURAGI

作品展示場所
£番外編  
わしもみてきた
 
  宮脇愛子(みやわき あいこ)       「うつろひ」


うつろひ

ステンレスワイヤー 耐候性鋼管
600cm×1100cm×500cm





海のうつろひ

空に線を描くつもりで、私は思いっきり、自由に紙の上に素描を致します。出来るだけ身体全体で線を描くつもりで、 時に、墨が、線が、アトリエをはみ出しそうになるはど飛ばして−鳥などがその線のまわりを跳びまわってくれるのを たのしみながら−。

「中空に自由な線を描く」これは、幼い頃、病弱であまり外で跳びまわることの少なかった私の夢でした。「朝から晩 まで空ばかり眺めていて」と、特に、澄みきった夏の夜空など眠るのが惜しくなってなかなか床に就かず、母からよく 叱られたものでした。

「うつろひ」の彫刻をはじめてから、私は日本はもとより世界中のあちらこちらに、空のある空間を求め続けてきまし たが、今年の春、はじめて瀬戸田町を訪れたときも、島中を走り廻り、空のある場所を探しに探して、とうとう実現す ることのできたビーチの先の防波堤を見つけることができました。私の作品の中では、はじめて試みた一列の五本の柱 の上に、殆んど海の中と云っていい環境の中で、空に向って線を描くことができ幸いでした。

なぜ彫刻のことを「うつろひ」と名付けるのかと、よくきかれます。
それは日本語のうつろふと云う言葉が、あまりに日常的にいろいろに使われ過ぎているからだと思うのですが、私の線 の彫刻が、いわゆる歴史的に彫刻という重量感のある物体観念としての彫刻とは異なり、変化そのもの、特に光、時間 、空間の変化をその主題としているからなのです。うつろひは、もともと、「秋草の美学」とか、「うつろひの美学」 など、日本美術史の中にある概念の一つなのですが、それを私は、自分の彫刻のタイトルに頂いたわけなのです。しか し「うつろひ」を外国語にする場合、とても難しく、そのまま“UTSUROHI”とし、副題としで“A MOMENT OF MOVEMENT ”或いは“DRAWING IN THE AIR”としています。

海の中にあるこの瀬戸田の彫刻は、曙からはじまって夕焼けから日が沈むまで、その光の映り変わりを、おそらく、最 も理想的な場を、得ることができたと思います。





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