島ごと美術館

〜島の風景と一緒に味わう〜
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作品
@1羽の鳥の為に
A風の中で
B空へ
C凪のとき 赤いかたち/傾
D波の翼  
E地上と地下の間で
Fねそべり石
G球を包む幕舎
H海からの贈り物
Iうつろひ
J飛石
K千里眼
Lベルデールせとだ
M地殻
N塩池
OCATS DANCE
P空/海 YURAGI

作品展示場所
£番外編  
わしもみてきた
 

ワシもみてきた島ごと美術館




 作品を見て、自分が正直に思ったこと。
 あなたがみれば、どんな作品?






No.1 一羽の鳥の為に

題名を知って、この作品の先っぽにあるのは鳥なのかなぁ、なんて思った。そうすると、写真を撮ってるときに マクドナルドのMのように見えた曲線は鳥の軌跡なのかなぁって。
作品の根元の方を見ると、なぜか松の木を思い出す。
そばにあるユーカリの木は、周辺の町並みが変わっても昔の場所にかわらずあるのが嬉しい。
小学校低学年の頃は、この辺はクローバーがびっしり生えていてその中でよく遊んだことをユーカリの木を見るたびに思い出す。

二つの大樹の間にこっそりとある作品。




No.2 風の中で(瀬戸田)

いつからあるのか分からないけど(碑には創作年はかかれてある)、ベルカントホールのトレードマークだとずっと思ってた。
はじめてみた時は(多分中学か高校生?)こんな細い線でよくこんだけリアルに作ったもんじゃのぉ、ぶちすげぇ!なんて 思った気がするんだけど、今は普通にみてるなぁ。図書館の行き返りとか、車で通過する時に。
そこにあるのが当然って感じで。




No.3 空へ

昔のゲームキャラの関節系の敵キャラを想像しちゃう。ポリゴンが導入されるよりもっと前の、 例えばグラディウスに出てくる敵キャラ肉団子の触手の様な。
ワーム系の敵キャラが赤白旗を振っている。
自分のイメージはそんな感じ。うん。
今回写真を撮る際に、これって動くのかなと思って力いっぱい回そうとしたけどできませんでした。ちくしょー、だまされた。




No.4 凪のとき赤いかたち/傾

ズバリ、傾いたびっくりマーク!
自分の思考はそれより先に進めません。







関係ないけど、これ、碑の文字が読めなかったと思う。




No.5 波の翼

昔から、島に帰省して暇つぶしに島一周ドライブする時によく見てたから、これも「風の中で」と同様に、あって普通。
刺激的でない白い翼は(個人的には凧の集合体)、抵抗することなく自分の中に受け入れられた気がする。
なぜか、この翼が回転するのを未だに見たこと無い気がするなぁ。
見るたび形は変わってるのだけど。

この作品の場所ともう少し瀬戸田港側のベンチの並んでいる辺りは夕焼けとひょうたん島を一緒に写真に撮るにはいい場所では ないかなと思います。




No.6 地上と地下の間で

・・・出入り口のない電話ボックス・・・誰もがそう思うのでは。
理解に努めても疑問ばかりがわきおこる作品。
逆に言えば一番心に引っかかる作品かもしれない。
なぜここに場所を決めたのか、なぜこの形にしたのかetc・・・

彼女の文を読んで、地下にも掘り下げられて作られている理由はわかったけれど・・・。




No.7 ねそべり石

石ふたつ並べてあるだけやんけぇ!そう思った、最初。
けれど、この石の大きさはなかなか手ごろで、座ってよし、寝転がってよし。
のんびりと黄昏れることもできる。
No.10の「うつろひ」に立ち寄る人を眺めることもできる。
どこかで聞いた話ではバーベキューにも使ってる人もいるとか。
なかなか使い勝手のいい、実用的な作品だ。

けど、ゴミは持ち帰ろうね。
せっかくカップルでも黄昏れられるのに、砂浜が汚くっちゃムードでないもんね。




No.8 球を包む幕舎

なんか、この作家の視点にはやられたなって負い目が個人的にありますね。
自分は瀬戸田港が理由もなく見るのが好きなんだけど、高根大橋の向こうに瀬戸田港を望む、 そういう観点が自分の中になかった事に気づかされちまいやした。

高根の人は普通に見てる風景なんだろうけど、自分にとってはなかなか新鮮。
亀の首地蔵、高根大橋、三重塔、瀬戸田港を眺められる場所というのは。

この幕舎をとっぱらって球転がししてみたいなぁという欲望に駆られました。
この球を車にぶつけたら簡単に車がスクラップ品になるかなとか。

自転車で見て周る方は頑張って高根大橋を越えてください。






No.9 海からの贈物

これも設置場所の理解に苦しむ作品だった。なんで無料公衆トイレ前?と。
いい景色が見える場所ではない。
平山郁夫美術館がそばにあるし、たくさんの人に見てもらいやすい場所かな。そう考えると自分の中で納得がいった。

3つならんでる丸いものは蜜柑かな?団子3兄弟なのかな、ひょうたん島の将来像かな?




No.10 うつろひ

ああ、ここに座ってキンキンに冷えたビール飲みたいなぁ!!
なんかそう思っちゃう作品だった。
で、事実、ここで春先の穏やかな海を楽しもうと思った矢先にまた寒くなったんで ビールを飲みたい気分にもならず、家に引っ込んでいる次第なの。

派手な赤色をした柱で、自分はそれほど派手な色は好きではないけど、なぜかこの赤は気持ちいい赤に思える。
作品の真下から空を眺めると、空がジグソーパズルのように、柔らかな曲線を持つワイヤーで区切られる。
堤防の先にある東屋、そんな感じがして落ち着けた。
考えることもなく、素直に見て楽しめた作品。


追記:後日、再び行き、よくみてみたら派手な赤色なんぞではありませんでした。
錆び止めみたいな紫みたいな、そんな色。なんで派手な赤だと思ったんだろ?




No.11 飛石

昔のことを思い出させる作品。現状の自分と幼い時の自分を比較させられた作品。
この作品に対してそれ以上は言えない。

というのは今この作品に対して書こうと思っても、自分の中では彼の作品に対してのイメージなのか、 彼の文章によるイメージなのか区別がつかないから。
彼の言葉はシンプルで控えめなものだけど、とても共感した。
廃校されるまえの木造校舎の小学校で育ったから。
作家の願い、未来に届きますように。




No.12 千里眼  "のぞいてみよう、潮戸田から世界が見える"

これも結構以前からあるような気がする。
イメージは・・・そのまんまだけど、2本の柱に支えられた眼鏡。大小あわせて3セット。
下品に想像すると砂浜に突き刺さった男のアレ、ですかね?
貧相な発想であいすんません。作品名からとんでもなくスケールの小さい話になって。

最近気づいたんだけど、これ、夕日の沈む方向に正対してるんですね。
ちなみにもうひとつ気づいたんだけど、「千里眼」そばの防波堤からサンセットビーチ周辺の 作品6点全部見ることができるんですね。




No.13 ベルベデールせとだ

素直にいいですねと言える作品。ちょっと錆びてるけどレモン色もきれい。
飛び込み台にもなるし、太鼓の舞台にもなる。
かたちを理解しなくてもできなくても、見る側が好き勝手に作品との遊び方を 見つけられるってのはいいなと思う。ねそべり石しかり。

ここから望めるのは岩城島。




No.14 地殻


日干ししてる大根、もしくは羽化する前の巨大なさなぎ。

2004.4.22追記:生口橋から一番近くにある作品だけど、とってもさりげない色なので 車だと見落としてしまう可能性が大。




No.15 塩池

自分の撮った写真からは全体像が見えないけれど、こんな感じのトゲトゲしたのが大小2つ、 神社の脇に据えられていた。
この作品の中に火をおこしたらきれいだろうなぁ。

ところでこの作品は見つけるのに時間がかかった。
観光案内地図で大まかな場所を確認し、島を一周する県道317号線から適当に海側に行けそうな道を 曲がってもそれらしきものは見つからない。
たまたまスピード違反取締りか何かで警備していたお巡りさんをつかまえて道を尋ね、 ようやく分かった。(とはいってももう一回間違った道に行ってしまったんだけど)。
観光商工課は作品を見てほしいという気持ちがあるのかいな?




No.16 CATS DANCE

わかりやすい。というかそのまんまの作品だと思う。
題名を知らなくても題名を想像するのは難しくない。

ここから見る伯方島方面の眺めはとてもいいです。
ただ、自転車でここまで来ようとすると、かなり長くてきつい坂道を登るのが難ですね・・・。




No.17 海/空 YURAGI

錆びっぱなしの放置プレイ。
どうも錆びることは前提におかれてるみたいですね、この作品は。
四角いエイって感じかな?

2004.4.22追記:ここで釣りをしてる人をよく見かけます。
んでもってこの作品が荷物を置く場所になったり、座る場所であったり。
案外実用的?ちなみにこの辺から見る夕焼けの多々羅大橋はなかなかいいですよ!




No.18 おわりに

先日、広島県立美術館でオノ・ヨーコ展を見に行った。
本当はひろしま美術館の絵を見に行きたかったのだけど、改装期間になった為、じゃぁ、と言う訳でオノ・ヨーコ展。
映像を見た。額縁にかかった文を読んだ。知恵熱が出そうだった。
とにかくやたらと考えさせられて疲れてしまった。
時には刺激的で面白い文もあったのだけど、疲れの中でそれは頭から消えてしまった。
週末のせいか、けっこうお客さんが入ってたけど、みんななにを感じてたんだろう。

どこからどこまでの範囲を現代美術と呼ぶのかは分からないけれど、でも、現代ナントカというカテゴリのものは、 見に行ったら逆に問題を出されちゃったという気分になって−例えば作品と作品名の関係性、作家の意図する所など−クタクタになってしまうボクなのである。

もちろん面白いなぁと思うこともある。ある美術館での、人がプールに飛び込んだ時をスローに逆回した映像を部屋の大きな壁4面に映し出されてたのを 見た時は時間の流れが止まったような気分だった。
今回、しまごと美術館の作品を全部見てみて、自分にとって受け入れられる作品がいくつかあったというのは収穫だったなぁと。

クリムトやミュシャやドゥガ、夢二みたく美しいなぁと感動させてくれるモノの方が好きですね。理屈ぬきで。
こんな自分にポップアートや現代美術の分野を楽しめる日が来るのかとっても疑問な今日この頃。

稚拙な感想でどうもごめんなさいっ。


No.19 なぜ、これがアートなの?

しまごと美術館の作品や、オノ・ヨーコの作品をみてて思ったこと。
なんでこれがアートなの?
しばらくずーっと考えたけれどもよくわからない。
どうしてこれがアートなのか。どうやって周りの人達はそれらの作品に評価をしたのか。

そんなある日に本屋をさまよっていると、自分が思ってた疑問そのものが題名となっている「なぜ、これがアートなの?」 という本を見つけてしまった。タイミングよすぎ。

で、読んだ。
この本は題名の通り、そんなことを思う私のような人に、さまざまな作品を取り上げて解説をしてくれている。 そして様々な作品の解説(解説というよりは著者としての一解釈)を述べながらもこんなことが書かれている。


「しかし実際のところ研究者、いや作者自身すらも、私たちの疑問に適切な回答を与えることはできない。(中略)

専門家たちの唱えることも、しょせん入手可能な資料をもとにした、ひとつの解釈に過ぎない。(中略)

一般的な考えに反するかもしれないが、作品の意味は作者の責任外の問題である。(中略)
それよりも意味は、人々が作品を見るという行為を通じて作品とおこなうコミュニケーションによって、 作品に付加されるものなのである。

だからこそ、「アーティストが何を言いたかったのか」というよりは、「この作品は何を意味するのか」というほうがより適切な 問いだといえる。作品がどれほど美しかろうが、技術的にいかにすばらしかろうが、あるいはオリジナリティがどれほど備わっていようが、 作品にとって重要なのはいかに表現されているかではなく、結果的にどれほど鑑賞者の意図を引き出せるか ということなのである。」


・・・なまじっか自分が載せたような資料を先に見てしまうと、逆に固定観念にしばられてしまって自由な発想ができなかったり、 自分の新しい感覚をひきだすことができないかもしれない。
(まぁ実際に自分もそうだった訳で) 自由にその作品を楽しめばいい、ということだと思う。



私と同様、「なぜ、これがアートなの?」と思う方、この本を一度読んでみることをおすすめします。
ちとお値段が張る気もするけど、作品数も多くてそれ相応の濃い内容だと思います。
確かこの本、2巻があったりDVDもあったかと。



なぜ、これがアートなの?
 アメリア・アレナス著 福のり子訳
 淡交社 
 ISBN-473-01578-5


2500円ナリ











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