作品
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新宮晋(しんぐう すすむ) 「波の翼」
ステンレス・帆布
H:627cm φ490cm
私は生口島を好奇心いっぱいの目で探検して回った。そして素晴らしい場所を見つけた。
岸から20mぱかり離れた、波に洗われる岩礁だ。
一日に3.5mも潮の干満の差があるので、その岩礁は、ときには海中に没したり、陸とつながったりする。
地球の部分でありながら月の影響を頼著に受け、太陽に焼かれ、強風にさらされる所だ。
私は、さまざまな自然の交差するこの岩礁に、ささやかな人工物を立ててみたいと思った。
そして、「波の翼」のイメージが浮かんだ。
白い三角の帆を組合せたようなこの作品は、ほんのわずかな風にも反応し、はてしなく変化する。ひらひらと舞うこの幾何学的な形は、岸辺から見ると、海や空、船や島といった無限に広がる風景に溶け込んだ存在になる。夜は、岸辺からの照明で、暗い海にくっきりと浮かぴ上がる。
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